「婦人解放の悲劇」自序
伊藤野枝
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)未《ま》だ
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから1字下げ]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)未《ま》だ/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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とうに『恋愛と道徳』が単行になつて出る筈であつたが、あれだけでは一冊とするにはあまりに貧弱(量の上に於て)だと云ふ書店の意見から、その後雑誌(青鞜)で発表したエンマ・ゴルドマンの『婦人解放の悲劇』と『少数と多数』になほ新に『結婚と恋愛』とゴルドマンの小伝を加へてやうやく出すことにした。なほ書店の要求を満足させる為めに自分は序の中に婦人問題変遷の歴史と云つたやうなものを書く筈になつてゐたのだけれど、そんなことは今の私には未《ま》だ/\荷が勝ち過ぎるし、それに書くと云つても、自分一個の(たとへ独断にせよ)見識でも確立しての上で、その動かない立場から批評的に書けるとでも云ふのならば兎《と》に角《かく》、どうせえらい先生方の御本を参考にしてアチコチとぬき書きでもする
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