体どこイ連れてゆくんやろ」
 と思って引きずられて行くと、外語学校前を東へ折れ、四ツ辻まで来ると、南へ曲った。
 そして半町も行った頃だろうか、門燈のあかりが鈍く点っているしもた家の前まで来ると、針助は立ち停った。
「ここや」
 針助は袂から鍵を出して、玄関の戸をあけると、
「――はいれ」
 家の中はひっそりとして、人の気配はなかった。針助の一人ぐらしの家らしい。
 それがかえって、薄気味わるかった。
 次郎と三郎は二階へ連れて行かれた。
 そして、六畳の部屋へ入れられると、針助はカチッと錠をおろして、出て行った。
 階下へ降りて行くらしい針助の足音を聴きながら、三郎はひそひそした声で言った。
「兄ちゃん、どないなるネやろなア」
「さアなア……」
「カンゴクへ行って、赤い著物著んならんか」
「サアなア……」
「母ちゃん今頃どないしてるやろなア」
「分ってるやないか。わいらの帰り待ってるにきまってる」
「母ちゃん心配してるやろなア」
「うん」
 次郎は半泣きの声になっていた。
 その時、階段を登る足音が聴えて、やがて針助がはいって来た。

 はいって来た針助は、ブルブルふるえている次郎と
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