たのも、何かの縁だ。それに、おれはあの青蛇団と留置場の中ですっかり仲良しになったんだよ。彼等の気持は、おれが一番良く知ってるんだ。大量手術でむつかしいが、彼等の背を真白にしてやることは、彼等の心の汚れを取るばかりでなく、同時におれのデカダンスのクリニングになるかも知れない。そう思えば、ヤリ甲斐はあるかも知れないよ。あはは……」
伊部の口から久しぶりにいきいきした朝の笑い声だった。
作者に[#「作者に」はママ]この物語を一まずここで終ることにする。豹吉やお加代や亀吉がやがて更生して行くだろう経過、豹吉とお加代、そして雪子との関係、小沢と道子の今後、伊部の起ち直りの如何……その他なお述べるべきことが多いが、しかしそれらはこの「夜光虫」と題する小説とはまたべつの物語を構成するであろう。
底本:「定本織田作之助全集 第六巻」文泉堂出版
1976(昭和51)年4月25日発行
初出:「大阪日日新聞」
1947(昭和22)年5月24日〜8月9日
※「憂鬱」と「憂欝」の混在は底本通りにしました。
入力:林清俊
校正:小林繁雄
2008年3月3日作成
青空文庫作成ファイル:
この
前へ
次へ
全141ページ中140ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
織田 作之助 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング