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針助「な、なにしに来た?」
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小沢、ふと部屋の隅に掛った女の着物を目ざとく見つける。
[#ここで字下げ終わり]
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小沢「着物を取り戻しに来た」
針助「着物……?」
小沢「そうだ。そこに掛っているその着物だ。昨夜、ここから裸のまま飛び出した娘の着物だ。その娘は、着物がないために、宿屋の着物を盗もうとして、警察へつき出された。その娘を救うために、証拠にその着物がいるんだ」
針助「そんなこと、おれは知らん」
小沢「白っぱくれるのはいい加減にしろ、唖の娘に今日刺青をしたのは誰だ。この子供らを何のために裸にしているのだ。昨夜の娘は何のために裸のままここを逃げ出したのだ」
針助「うーむ」
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と、うなっていたが、いきなり畳の上の針を手に取って、次から次へ小沢めがけて投げつける。
小沢、体をかわす。
針助、飛び掛って行く。
小沢、簡単に針助を投げ飛ばして押えつけ、次郎と三郎らに眼くばせして、針助を縛らせる。
針助の背中の刺青に、食い入るように、きつく紐が掛けられる。
[#ここ
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