て、
「――喧嘩というものが、いかにくだらぬものであるかということを、君たちに納得させたいんだ」
「大きにお世話や。引っ込んだらどうや」
「まア、聴け! 日本人はかつては、暴力や喧嘩沙汰の好きな国民だった。だから戦争をおっぱじめて、こんなみじめなことになってしまったんだ。ところが君たちは、これからの日本の再建に一番重大な役割を果さなきゃならない君が、今なお暴力や喧嘩を好み、腕力でことを決しようとしている」
小沢はいつか演説口調になっていた。
「――こんなことで、一体どうなるんだ。しかも、君たちの中には、携帯を禁じられている銃を、持っている者もいる。君たちは瀕死状態の日本を、ますます窮地に陥入れたいのか」
「…………」
誰も答えなかった。小沢はつづけた。
「世には、暴力を以てしか解決できないような問題は、何一つとして存在しない筈だ。撲らなきゃ判らないというのは、もう昨日の日本人の言葉だ。今日の日本人は、人を撲ったり、傷つけたり、殺したりする野蛮な手を封じられた代り、口を使ってする自由は許されている。口は飯を食うためのものだ。が、飯は腹一杯食べられない。だからといって、口の用途を十分発
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