切れぬ想いがなくなったのと同時に、女と二人だから泊めるのだという自分へのいいわけもなくなり、わざとドアをあけていたのだが、しかし、何だか京吉を警戒してあけているような気が、ふと陽子の自尊心を傷つけたのだろう。
「恋人……? へんなこと言うなよ。誰かの女房で、誰かのいろおんなだよ。考えてみれば、あの女もひでえキャッキャッだよ。いや、考えてみなくても、キャッキャッだよ」
「キャッキャッって何なの……?」
坐ろうとしたが、靴下を脱いだ京吉の素足に、ふとなまなましい男を感じて、陽子はあわてて顔をそむけ、やはり立っていた。
「キャッキャッはアラビヤ語だって、グッドモーニングの銀ちゃん言っていたよ。陽子、銀ちゃん知らんだろう。銀ちゃん与太者だけど、中学校出てるんだ。キャッキャッって、一人寂しく寝ることだって、銀ちゃん学があるよ」
「つまらないこと言ってるわねえ。陽子断然軽蔑よ」
陽子は京吉の前では、わざとはしたないダンサー口調が出た。そんな風にさせる所が京吉の徳であった。凄く大人っぽいかと思うと、まるきりテニヲハの抜けた舌足らずの喋り方をしたりする所が、女たちに気を許させるのであろう。自意識の
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