女のひとを連れて泊りに来るなんて、不潔だわ。もう絶交。だけど、あの女のひと誰だろう」
京吉を軽蔑しながら、しかし、京吉のことをぼんやり考えていたのだ。こんな晩は京ちゃんと踊りたい。でもあたしは追い出すような口を利いたのだわ。
そんな悔恨めいた気持があっただけに、再び戻って来た京吉の言葉をきくと、陽子は思わず起ち上り、日頃の勝気な天邪鬼の手がもはや一皮むけば古い弱い女の手になって、
「どうしたの、京ちゃん、おかしい人ね」
ついぞこれまで、どんな男にもあけなかったドアをあけた。
九
「あら、京ちゃん一人……?」
女のひとと一緒じゃなかったの――と、陽子は京吉がはいったあとのドアを、わざと閉めずにきいた。
「帰っちゃったよ」
陽子の所はむろんはじめてだが、ほかの女のアパートには泊り馴れているせいか、京吉はキョロキョロ部屋の中を見廻したり、坐る場所を探したりせず、いきなり鏡台の前へ坐ると、雨に濡れた靴下を脱ぎながら、呟くように、
「――考えてみれば、あの女は……」
「京ちゃんの恋人なんでしょう……?」
陽子はドアを閉めて、京吉の傍へ来た。京吉一人だと知って、何か割り
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