京吉もまた、芳子を持て余しながら、しかし、もともと心の寂しい男だった。といって、芳子と宿屋に泊ることは、困るのだ。夜通し雨の中を歩こうか、今夜はどこへ泊ろうか――と、思案しながら歩いていると、ふと陽子のことが頭に泛んだ。
四
そうだ、陽子のアパートへ泊めて貰おうと、京吉の顔はにわかに生き生きした。
芳子は坂野の所へは帰りたがらず、グッドモーニングの銀ちゃんのアパートへも連れて行けないとすれば、もう田村へ連れて行くか、どこか宿屋に泊るより仕方がなかったが、貴子の居候の自分が、よしんば何の関係のない女にしろ、まさか連れて行くわけにもいかない。
といって、宿屋に泊れば、どんなことになるか、グッドモーニングの銀ちゃんの二の舞を演ずるようなことはないと言い切るには、今夜の京吉はあまりに人恋しかった。芳子もまた、一度堕落してしまった以上、もはや固い女で通せず、それにもともと浮気っぽいレヴューガール上りの裸体を、小指に触れられるのと大して変りのない簡単さで、京吉に許してしまいそうだった。銀ちゃんへの腹いせもあるだろう。いずれにしても、今夜の二人は危なそうだった。夜も更け、雨も降
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