のが惜しいというより、ひとりになって孤独な気持のなかに閉じこもるのが怖かった。
「どうです? 活動でもみませんか?」豹一は土門を誘った。
「よし来た」
 千日前へ出た。活動小屋の看板を見あげて歩きながら、土門は片っ端から演し物をこきおろした。弥生座の前まで来ると、土門は、
「東銀子どうしたか、君知ってるか?」と、訊いた。
 知らないと答えると、土門は、
「失踪したんだ。行方不明なんだ。余り皆んながひどい目に会わせやがったんで、到頭小屋を逃げ出したんだ。悲しいこった。――ところで、このことでいちばん悲観してるのは、いったい誰だと思う?」
「北山さんでしょう?」
「半分当った。じつは、このおれもだ。いや、案外君もその一味かも知れんぞ! あ、は、は、……」土門の笑い声が寒空に響くのを、豹一はしょんぼりした気持できいた。
 ある三流小屋の前まで来ると、豹一ははっと顔をそむけた。村口多鶴子の主演している古い写真がセカンドで掛っているのだった。絵看板のなかで、あくどい色に彩られた多鶴子の顔がイッと笑っていた。こそこそと通り過ぎようとすると、土門が、
「おい、君の恋人の写真やってるぞ! 見ようじゃな
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