この女史が社長にいきなり辞意を表明したと、思い給え。その理由がなんだと思う……? うふふ」土門は嬉しそうに笑った。「――その理由ってのは、君、あれだよ。うふふふ……。編輯長さんの越中をなんとかしてもらえんか――って、そんな言い方はしなかっただろうが、ともかくまあそんな意味のことをやわりやわり社長に言ったんだね。社長もさすがに弱って、結局編輯長を呼びつけて曰くだ、――君、褌は困るね。せめて汚れない奴を着用してくれんか。――あははは」土門はまるで転げまわっていた。「――というわけで、問題はけりがついたが、ともかく美人の秘書の前で汚れた褌一つで平気でいるところを見ると、奴さん女には全然興味がないと見てまあ差支えないだろう? 少しでも興味があればだね、少くともステテコ位は穿いたろう。まあ、そう言ったわけで、女に興味が無いとすれば、残るのは美少年だ。どうだ、君、僕の推理は……? わりに筋が通ってるだろう? だからさ、まあ君は大いに編輯長に気をつけることだね。え、頼みまっせ。けっ、けっ、けっ」土門は口の泡を噛みながら笑った。
いったい言葉の乱れている、――たとえば標準語と大阪弁がちゃんぽんになっ
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