ているような男には、健全な精神が欠けていると見てたぶん間違いはないが、この土門のような男はその代表的なものである。ことに土門は言葉が乱れているばかりでなく、その言い方が真面目に見えたり不真面目に見えたり、つまり、底抜けにふざけていて、いってみればデカダンスのにおいが濃いというわけだった。
こういう男は得てして生真面目な男を怒らせるものなのだが、豹一は自分で思っているほどには人から生真面目に思われない男だったから、莫迦にされてるような気はしたものの、すっかり腹を立てるまでには到らなかった。それに突拍子もないところへ大阪弁が飛び出したりして、土門の態度に案外気取りのないところが、いくらか気に入っていたのである。
もうひとつには豹一は土門の話よりも、土門の煙草を吸う動作にすっかり気を取られていたので、腹を立てる余裕などは無かったのだ。土門の煙草の吸い方はあきれるほど早かった。三分ノ一ほどせわしく吸うと、もう新しい煙草に火をつけている。それが休む暇もないのである。マッチをつけるのがもどかしいらしく、煙草から煙草へ火を吸い移すのだ。瞬く間に一箱を平げてしまうその早さに、一日掛って一箱がやっと
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