るが、それも足袋をはいて寝れば、いくらか我慢が出来る。
(しかし、あの餓鬼は若い身空で贅沢に炬燵をいれてけつかる)安二郎はひょんなところでふと豹一のことを想い出した。(たかが炭団代というても莫迦にはならんぞ!)
 一月いくらになるだろうかと暗算して、なるほど莫迦にならぬと思った途端に突如として安二郎の頭に名案が閃いた。炭団代を豹一に払わせるのだ。今まで費した金ばかりに気をとられていて、「実費」を支払わせることが思いつかなかったのは、なんとしたことかと、安二郎は自分のうかつさをののしった。
 安二郎は再び算盤をはじき出した。先ず炭団代何十銭也といれた。間髪を入れず、水道代何十銭、次に電気代は何円何十銭也……。安二郎はにやりと笑った。取るべき実費はいくらでもあるではないか。食費何円何十銭也、部屋代何円何十銭也、――今月からは〆めて何十何円何十銭也を豹一に払わせるのだと、算盤の音は活気を帯びた。われながらうっとり出来る高額だったので、安二郎は今月から取りはじめるのはなんとしても惜しいと、いろいろ考えたあげく、子供の時分からの養育費を取るべきだという結論に達した。しかし、さすがの安二郎もそれは
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