けて糊をつけるのだ。四千部、夕方までに発送を済まさねば、発行期日に間に合わぬというので、社長、妻君、園井、園井の妻君、豹一の五人掛りだった。豹一は新聞を畳む仕事をやらされたが、八頁のものを折目を正しくつけて小さく畳むのには、かなり力が要った。百部も畳まぬうちに掌の皮が擦りむけた。豹一は窓側に置いてある牛乳の瓶に眼をつけて、それで折目をつけることにした。それで、少し楽になった。百部畳むと、床の上に積んで、斜めに崩し、折目をスリッパで踏むのだ。前へ、後へと踏みながら、豹一は泣き出したい顔をぽかんと天井へ向けていた。
 分業だから、少しも休むわけには行かなかった。欠伸一つ出来ぬ忙しさで、豹一は泡食っている咄嗟に、チャップリンの「モダンタイムズ」を想い出した。(新聞記者だと思っていたのに、これではまるで労働者だ)
 僅に正午の休みを想って心を慰めていた。サイレンが鳴ると、飛び出して喫茶店へはいり、冷たい珈琲をのんで、椅子の上でじっと眼をつむって横になっていよう。しかし、正午が来ても休憩はなかった。パンを頬ばりながら、仕事を続けねばならなかった。
「遠慮せんと、食《や》ってや」
 社長の言葉にい
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