、三人は夜が更けるまで京都の町を歩きまわった。その挙句、赤井と野崎は宮川町へ行くことになり、豹一は南座の横の暗い道を折れて、二人を送って行った。真白く化粧した女がぞろりと派手な着物を着て坐っている家の前で、豹一は二人と別れた。女の眼が無気力な笑いを泛べてじろりとこちらを向いた。豹一は南座の前から電車に乗って秀英塾へ帰った。
 豹一はその夜のうちに荷物を纒めて朝運送屋へ頼み、午頃「ヴィクター」で赤井と、野崎の二人と落合った。そして、二人に見送られて、四条大橋から京阪電車に乗って、大阪へ帰った。

    第三章

      一

 豹一が学校を止めたと聞いて、
「やめんでもええのに、しゃけど、お前がやめよう思うんやったら、そないしたらええ」と、お君は依然としてお君だったが、しかし、暫く見ないうちに、お君はめっきりやつれていた。眼のまわりが目立って黝んでいた。
 未だ三十六だったが、眼のまわりの皺は四十を越えていた。髪の毛は油気もなく、バサバサと乾いていた。仕立物の賃仕事に追われていたのだと、豹一は見るなり思い掛けず涙が落ちた。昨日までうかうかと高等学校の生徒であったことが、われながら不
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