た。意味もなく、京極通りを歩きまわり、疲れると、さてこれからどうしようと、町角でぽかんと、突っ立っていたりした。行きつけの店を一廻り廻ってしまうと、すっかり気がぬけたようになって、行先を思案するために突立っている彼等の顔は、どれも間が抜けて、憂欝そうだった。映画館へ行くにしても、どこの演《だ》し物も面白くなさそうだと、一つ一つあげてつまらなくこきおろしていた。結局もう一度「ヴィクター」へ行こうと赤井が浅ましく言い出すと、なんとなくそう決って、ぞろぞろと四条河原町の小路をはいって行った。
「一日に二度もちょっと体裁が悪いな」
 八重ちゃんに気がある赤井が拘泥って言うと、
「そやな、体裁が悪いな。一日に二度も」野崎は元気のない声で言った。彼は「ヴィクター」で一番醜い、男か女かわからぬような顔をしている女の子に参っていると、日頃否定もしなかった。そう言えば「リプトン」のカウンターにいる化物みたいに脊の高い女の子にも、野崎は「肩入れしてる」らしかった。「ヴィクター」を出ると、だから「リプトン」へもう一度行った。そうして、時間を潰しているうちに、日が暮れた。半時間ほど思案した挙句、京極裏の牛肉屋
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