して、毎日見舞いに来た。
「そない毎日来て貰たら、恐縮《きずつの》おます。貴女《おうち》も、お忙しいでっしゃろさかい……」
言うているうちに、君枝はふと、自分も看病の合間に運送屋の手伝いをして見ようかと思った。
河童路地の近くに、便利屋というちっぽけな運送配達屋がある。引越し道具のほか、家具屋、表具屋、仏壇屋などから持ちこまれる品物の配達をしているのだが、小型トラックがなくなった上に近頃は手不足で折角の依頼を断ることが多いと聴いていたので、君枝は早速掛け合ってみた。
「へえ、あんたみたいな別嬪さんが……?」
便利屋の主人は驚ろいたが、配達の手伝いなら、時間に縛られることが無いので、看病の合間に出来るし、足には自信があると案外君枝が本気らしかったので、
「そんなら自転車に乗ってくれまっか」
手当てはもとよりたいしたことは無く背を焼かれるような病院の払いには焼石に水だったが、けれど全くはいらぬよりはましだと、君枝は早速自転車の稽古をはじめた。ひとつには、そうして人手不足の際に働くということが、入院して働けぬ次郎の代りをつとめることにもなろうという気持もあった。
ところが、ハンドル
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