たりと尻餅ついた。
8
命は助かったが、退院までには三月は掛るだろうという大怪我だった。
「あんぽんたん奴! 働きもせんとぶらぶら飲み歩いてるような根性やさかい、ぼやぼやして怪我もするネや」
他吉は知らせをきいて言ったが、しかしさすがに怒った顔も見せられず、毎日病院を見舞った。
君枝はもちろん三等病室で寝泊りし、眠れぬ夜は五日も続いたが、二週間ばかりするといくらか手が離せるようになった。
その代り、病院の払いに追われだした。もともとはいるだけ使ってしまうという潜水夫の習慣で、たいした蓄えもなく、そのわずかの蓄えも遊んでいるうちに、すっかり使っていた。
頼りにする鶴富組の主人は△△沖の方へ出張していたし、おまけに、次郎をひいたトラックの運転手は、よりによって夫の死後女手ひとつで子供を養っているという四十女で、そうと聴けば見舞金も受けとれなかった。
「貴女《おうち》が悪いんのんとちがいま。うちの人がなんし水の中ばっかしで暮して来やはったんで、陸の上を歩くのが下手糞だしたさかい、おまけに雪降りの道でっしゃろ?」
無理に笑って、見舞金を突きかえした。
女運転手は恐縮
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