けて路地の空地で行われる朝のラジオ体操も休まなかった。
そして、いつものように夕方から俥をひいて出て、偶然通りかかった難波橋の上から、誰やら若い男と一緒にボートに乗っている君枝の顔を、ボートの提燈のあかりでそれと見つけた。
客を乗せているのでなければ、俥を置き捨ててそのまま川へ飛び込み、ボートに獅噛みついてやりたい気持を我慢して、他吉は客を送った足ですぐ河童路地へ戻り、
「ああ、やっぱり親のない娘はあかん。なんぼ、わいが立派に育てたつもりでも、到頭あいつは堕落しくさった」
と、頭をかかえて腑抜けていると、一時間ばかり経って、君枝はそわそわと帰って来た。
顔を見るなり、他吉は近所の体裁を構わぬ声を出した。
「阿呆! いま何時や思てる。もう直きラジオかて済む時間やぜ、若い女だてらちゃらちゃら夜遊びしくさって。わいはお前をそんな不仕鱈な娘に育ててない筈や。朝日軒の娘はんら見てみイ。皆真面目なもんや。女いうもんは少々縁遠ても、あない真面目にならなあかん。今までどこイ行てた?」
「中之島へ行ててん」
「やっぱり、そやな」
他吉はがっかりした眼付きをちらっと光らせて、
「じゃらじゃらと、
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