ってるけど……」
「ええ、皆達者です」
「やっぱり皆まだ嫁《かたづ》いてないんですか」
「難儀な家やて、お祖父ちゃんも言うてはります」
君枝はまた他吉のことを想いだした。今頃どこを練り歩いているだろうか。場内は冷房装置があるのか、涼しかった。
はじめに文化映画があり、それからプラネタリュウムの実演があった。
「――今月のプラネタリュウムの話題は、星の旅、世界一周でございます」
こんな意味の女声のアナウンスが終ると、美しい音楽がはじまり、場内はだんだんに黄昏の色に染まって、西の空に一番星、二番星がぽつりと浮かび、やがて降るような星空が天井に映しだされた。
もうあたりは傍に並んで腰かけている次郎の顔の形も見えぬくらい深い闇に沈み、夜の時間が暗がりを流れ、団体見学者の群のなかから鼾の音がきこえた。天井を仰いでいるうちに夜とかんちがいしたのであろう。バネ仕掛けの椅子は居眠り易く出来ていた。
しずかにプラネタリュウムの機械の動く音がすると、星空が移り、もう大阪の空をはなれて、星の旅がはじまり、やがて南十字星が美しい光芒にきらめいて現われた。
流星が南十字星を横切る。雨のように流れるの
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