たの喜ぶもん見せたげよ」
「どんなもん? うちの喜ぶもんて……」
「黙って随いといぜ。ついこの近所や。僕昨日見て、ああ、これをお君ちゃんに見せたげたら喜ぶやろと、ほんまに思ったんや」
「そうオ? いったい、なんやの?」
言いながら、次郎のあとに随いて行くと、次郎は四ツ橋の電気科学館の前まで来て、
「ここや」
と、立ち停った。
そこには日本に二つしかないカアル・ツァイスのプラネタリュウム(天象儀)があり、この機械によると、北極から南極まで世界のあらゆる土地のあらゆる時間の空ばかりでなく、過去・現在・未来の空まで居ながらにして眺めることが出来るのだという次郎の説明をききながら、昇降機に乗って、六階で降り「星の劇場」へはいっていった。
円形の場内の真中に歯医者の機械を大きくしたようなプラネタリュウムが据えられ、それを円く囲んで椅子が並んでいる。
腰を掛けると、椅子の背がバネ仕掛けでうしろへそるようになっていた。
「朝日軒の椅子みたいやわ」
君枝が言うと、
「天井に映るんだから、上を見やすいようにしてあるんだよ」
次郎は言い、
「――朝日軒の人みな達者ですか。義枝さん死んだのは知
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