持ち出して出掛けたまま、三日帰って来なかった。蝶子は柳吉を折檻した。
「あんたはそれで良うても、わてがあんたのお父さんに笑われま。二人で、苦労してこれだけの人間になりました言うて、お父さんの前へ早よ出られるようにしよ思て、一所懸命になってるわての気持は、あんたには判れしめへんのんか。いつになったら、真面目な人間になってくれまんねん」
「も、も、も、もうわかった。お、お、おばはん、わかった」
二度と浮気遊びはしないと柳吉は誓ったが、蝶子の折檻は何の薬にもならなかった。暫らくすると、また遊びだした。二人の世帯を築きあげて行こうという気持には、到底なれないらしかった。そろそろ肥満して来た蝶子は折檻するたびに息切れした。
柳吉が遊びに使う金はかなりの額だったから、遊んだあくる日はさすがに彼も蒼くなって、盞も手にしないで、黙々と鍋の中をかきまわしていた。が、四五日たつと、もう客の酒の燗をするばかりが能やないと言いだし、水を混ぜない方の酒をたっぷり銚子に入れて、銅壺の中へ浸け、チビチビと飲んだ。
明らかに商売に飽いた風で、酔うと気が大きくなり、自然足は遊びの方に向いた。紺屋の白袴どころでなく
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