諸国の玩具
――浅草奥山の草分――
淡島寒月
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)この間《あいだ》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)印度|辺《あた》りから
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)チャリネ[#「チャリネ」に傍点]の前か
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ヘベさん/\と
−−
例の珍らしいもの、変ったもの、何んでもに趣味を持つ僕の事ですから、この間《あいだ》三越の小児博覧会へ行った。見て行く中に、印度《インド》のコブラ(錦蛇《にしきへび》あるいは眼鏡蛇《めがねへび》)の玩具《おもちゃ》があったが、その構造が、上州の伊香保《いかほ》で売っている蛇の玩具と同じである。全く作り方が同じである処から見ると、この玩具は初め印度|辺《あた》りから渡ったものらしい。もっとも今は伊香保だけしか売っていないようですが、昔は東京にでも花時などに売っているのを往々見かけた。昔東京で僕らが見たのは、胴と同じように、頭も木で出来てあったが、伊香保のは、頭が張子で、形は段々と巧
次へ
全7ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
淡島 寒月 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング