江戸か東京か
淡島寒月
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)馬喰町《ばくろちょう》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)両国|馬喰町《ばくろちょう》辺の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号)
(例)江※[#「魚+祭」、第4水準2−93−73]《こはだ》の
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)大きいもの/\と
−−
私が子供の時に見たり聞いたりしたことを雑然とお話しようが、秩序も何もありませんよ。その上子供の時の事ですから、年代などは忘れてしまってる。元治慶応明治の初年から十五、六年までの間です。私が住っていた近くの、浅草から両国|馬喰町《ばくろちょう》辺の事ですか――さようさね、何から話して好いか――見世物ですな、こういう時代があった。何でもかんでも大きいものが流行《はや》って、蔵前《くらまえ》の八幡の境内に、大人形といって、海女《あま》の立姿の興行物があった。凡《およ》そ十丈もあろうかと思うほどの、裸体の人形で、腰には赤
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