も》ふならラクダルさんの處《ところ》へ連《つれ》て行《い》かう。じやが先《ま》づラクダルさんに試驗《しけん》をして貰《もら》はなければならぬ、其上でお前に怠惰屋《なまけや》になるだけの眞實《ほんたう》の力倆《りきりやう》があると定《きま》れば、更《あら》ためてお前を彼《あ》の人の弟子《でし》にして貰《もら》ふ、如何《どう》だ、これは?』と親父は眞面目《まじめ》に言《い》つた。
『是非《ぜひ》さうして下《くだ》さい。』と兒《こ》は二つ返事《へんじ》。
其處《そこ》で其《その》翌日《あくるひ》は愈※[#二の字点、1−2−22]《いよ/\》怠惰屋《なまけや》の弟子入《でしいり》と、親父《おやぢ》は息子《むすこ》の衣裝《みなり》を作《こし》らへ頭《あたま》も奇麗《きれい》に刈《かつ》てやつて、ラクダルの莊園《しやうゑん》へと出《で》かけて行《い》つた。
門《もん》は例《れい》の通《とほ》り開《あけ》つ放《ぱな》しだから敲《たゝ》く世話《せわ》も入《いら》ず、二人《ふたり》はずん/\と内《うち》へ入《はひ》つて見《み》たが草木《くさき》が縱横《じゆうわう》に茂《しげ》つて居《ゐ》るのでラクダ
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