した儀につきましては藤吉に代りまして私より十分の御礼を申し上げます。つきましては、お俊儀は今日ただ今より私が世話することになりましたにつきましては早速お宅を立ち退くことにいたします、さようあしからず御承知を願い置きます』と切り口上でベラベラとしゃべり立てました、私は文句が出ないのでございます。
それからお俊と頭領がどたばた荷ごしらいをするようでしたが、間もなくお俊が私の傍《そば》に参りまして、『いろいろわけがあるのだから、悪く思っちゃアいけませんよ、さようなら、お大事に』
二人は出て行きました。私は泣くこともわめくこともできません、これは皆な罰だと思いますと、母のやつれた姿や、孕《はら》んだまま置き去りにして来たお幸の姿などが眼の前に現われるのでございます。
役所は免《や》められ、眼はとうとう片方が見えなくなり片方は少し見えても物の役には立たず、そのうち少しの貯蓄《たくわえ》はなくなってしまいました。それから今の姿におちぶれたのでございますが、今ではこれを悲しいとも思いません、ただ自分で吹く尺八の音につれて恋いしい母のことを思い出しますと、いっそ死んでしまったらと思うこともござい
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