私が預かるから半年も稼いだら帰って来てまた一しょになるがよかろうと申しますと、藤吉は涙を流してよろこびまして、万事よろしく頼むと家を畳んでお俊を私の宅に同居させ、横浜へ出かけてしまいました。
 もうこうなれば澄ましたもので、お俊と私はすっかり夫婦気取りで暮していたのでございます。
 そうすると一月ほどたちまして私は眼病にかかったのでございます。たいしたこともあるまいと初めは医者にもかからず、役所にはつとめて通っていましたが、だんだんに悪くなりましてしまいには役所を休むようになりました。医者に見せますと容易ならぬ眼病だと言われて、それから急にできるだけの療治にかかりましたが治る様子も見えないのでございます。
 お俊はなかなか気をつけて看護してくれました。藤吉からは何の消息《たより》もありません。私は藤吉のことを思いますと、ああ悪いことをしたと、つくづくわが身の罪を思うのでございますが、さればとてお俊を諭《さと》して藤吉の後を逐《お》わすことをいたすほどの決心は出ませんので、ただ悪い悪いと思いながらお俊の情を受けておりました。
 そのうちだんだん眼が悪くなる一方で役所は一月以上も休んでいる
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