郊外
国木田独歩
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)時田《ときだ》先生
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)第一|小供《こども》が
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#始め二重括弧、1−2−54]
−−
※[#始め二重括弧、1−2−54]一※[#終わり二重括弧、1−2−55]
時田《ときだ》先生、名は立派なれど村立《そんりつ》小学校の教員である、それも四角な顔の、太い眉《まゆ》の、大きい口の、骨格のたくましい、背《せい》の低い、言うまでもなく若い女などにはあまり好かれない方の男。
そのくせ生徒にも父兄にも村長にもきわめて評判のよいのは、どこか言うに言われぬ優しいところがあるので、口数の少ない代わりには嘘《うそ》を言うことのできない性分、それは目でわかる、いつも笑みを含んでいるので。
嫁を世話をしよう一人《ひとり》いいのがあると勧めた者は村長ばかりではない、しかしまじめな挨拶《あいさつ》をしたことなく、今年三十
次へ
全27ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
国木田 独歩 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング