運命論者
国木田独歩
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)中過《なかばすぎ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)其|根方《ねかた》に
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「月+叟」、第4水準2−85−45]形《やさがた》
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)そわ/\して
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
一
秋の中過《なかばすぎ》、冬近くなると何《いず》れの海浜《かいひん》を問《とわ》ず、大方は淋《さび》れて来る、鎌倉《かまくら》も其《その》通《とお》りで、自分のように年中住んで居《い》る者の外《ほか》は、浜へ出て見ても、里の子、浦の子、地曳網《じびきあみ》の男、或《あるい》は浜づたいに往通《ゆきかよ》う行商《あきんど》を見るばかり、都人士《とじんし》らしい者の姿を見るのは稀《まれ》なのである。
或日《あるひ》自分は何時《いつも》のように滑川《なめりがわ》の辺《ほと
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