隅田の春
饗庭篁村

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)今日《けふ》は

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)先生|髯《ひげ》を

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)一々《いち/\》
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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     第一囘


三月二十日、今日《けふ》は郡司大尉《ぐんじたいゐ》が短艇遠征《たんていゑんせい》の行《かう》を送るに、兼《か》ねて此壮図《このさうと》に随行《ずゐかう》して其景況《そのけいきやう》並《なら》びに千島《ちしま》の模様《もやう》を委《くは》しく探《さぐ》りて、世間《せけん》に報道《はうだう》せんとて自《みづか》ら進みて、雪浪萬重《せつらうばんちよう》の北洋《ほくやう》を職務《しよくむ》の為《ため》にものともせぬ、我《わ》が朝日新聞社員《あさひしんぶんしやゐん》横川勇次氏《よこ
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