當かも知れぬが――を本として、東漢二百年間に於ける人材分布の樣子を、今の地理に當てて調査すると、上の如き結果を生ずる。
[#ここから1字下げ、表組み]
北       南       南北以外
直隷  2人  湖北  2人  四川  7
山東 16   江蘇  1
河南 23   安徽  1
陝西  7   浙江  2
甘肅  2   江西  1
計  50   計   7
[#ここで字下げ終わり]
 即ち北五省に産した人材は、南五省に産した人材の七倍以上に當つて居る。當時北方の文化が南方を壓した明證である。
 飜つて『皇明通紀』の第十三卷に收めてある、會元(京師で擧行する會試の首席合格者)三及第(殿試の最優等者、すなはち状元・榜眼・探花の三人)總考を根據として、明の洪武四年より萬暦四十四年に至る二百四十五年間に出た、會元及び三及第者の總數二百四十四人――この統計は幾分不正確かも知らぬが――に就いて、當時の人材分配の状況を觀ると、全然趣を異にしてゐる。
[#ここから1字下げ、表組み]
北         南         南北以外
北直隷  7人   南直隷 66人   四川   6
前へ 次へ
全18ページ中15ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
桑原 隲蔵 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング