支那猥談
桑原隲藏
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)袖下《そでのした》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)抑※[#二の字点、1−2−22]|晩矣《おそし》と
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)態※[#二の字点、1−2−22]
−−
一
吾が輩は今支那の時事問題について格別の意見をもつて居らぬ。それに新春早々に當つて、堅苦しい論文より幾分氣樂な隨筆の方が却つて似付かはしい心地もするので、標題の如き支那猥談を草することにした。猥談は要するに猥談であるが、その猥談の中にも、若干支那及び支那人に對する理會を助け、日支の外交上參考に資すべき材料を發見し得るかと思ふ。
支那は謎の國である。誰人も支那の現在及び將來は難解といふ。これは事實である。されどその謎といひ難解といふ中に、一方では支那そのものが難解であるに加へて、他方では之を取扱ふ研究者側にも不行屆の點があつて、難解のものを一層難解に陷らしむる實情がないでもない。
次へ
全17ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
桑原 隲蔵 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング