fカ》堪[#レ]喫。
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所謂問ふに落ちずして、語るに落つるものであるまいか。
 嗜好品として人肉を食した者の代表として、五代の高※[#「さんずい+豊」、第3水準1−87−20]を逸することが出來ぬ。元末の陶宗儀の『輟耕録』卷九に、古來食人の事實を列記せる中に、
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三國志云。呉將高※[#「さんずい+豊」、第3水準1−87−20]。好使[#レ]酒。嗜[#二]殺人[#一]而飮[#二]其血[#一]。日暮必於[#二]宅前後[#一]。掠[#二]行人[#一]而食[#レ]之。
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とある。併し『三國志』には一切かかる記事が載せてない。北宋の路振の『九國志』(『粤雅堂叢書』本)卷二に、高※[#「さんずい+豊」、第3水準1−87−20]を傳して、
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{高}※[#「さんずい+豊」、第3水準1−87−20]嗜[#レ]酒好[#レ]侠。殺人而飮[#二]其血[#一]。日暮必於[#二]宅前後[#一]。掠[#二]行人[#一]而食[#レ]之。
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とある。疎忽な陶宗儀は、『九國志』を『三國志』と間違へ、嗜酒好侠
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