#「口+敢」、第3水準1−15−19][#レ]之。因令[#二]軍士[#一]曰。食之美者。寧過[#二]於人肉[#一]乎。但令[#二]他國有[#一レ]人。我何所[#レ]慮。即勒[#二]所部[#一]。有[#二]略得婦人小兒[#一]。皆烹[#レ]之分給[#二]軍士[#一]。乃税[#二]諸城堡[#一]。取[#二]小弱男女[#一]。以益[#二]兵粮[#一](卷五十六、朱粲傳)。
[#ここで字下げ終わり]
 有名なる顏之推の子の顏愍楚は、朱粲の軍に囚はれてその幕僚となつたが、後に軍中食に乏しくなると、彼の一家を擧げて朱粲に※[#「口+敢」、第3水準1−15−19]ひ盡されたといふ。彼は人から人肉の滋味を聞かれた時、「若※[#「口+敢」、第3水準1−15−19][#二]嗜[#レ]酒之人[#一]。正似[#二]糟藏猪肉[#一]」と答へて居る。誠に驚くべき食人鬼ではないか。

         四

 古來支那で革命の起る際には、國内の秩序が立たず、又擾亂の爲に農耕が廢して、穀物が缺乏するから、自然人肉の食用が盛に行はるるのが一の慣例となつて居る。既に東漢の王充が、「敗亂之時。人相啖食」(『論衡』卷二十、論
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