m#一]。麻翻了。劫[#二]了財物[#一]。人肉把來做[#二]饅頭餡子[#一]。
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と取沙汰して居る。その第四十二囘に李逵が李鬼を殺害して、その肉を肴に食事する光景を描いて、
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李逵盛[#レ]飯來。喫了一囘。看着自笑道。好癡漢。放[#二]著好肉[#一]。在[#二]面前[#一]。却不[#レ]會[#レ]喫。拔[#二]出腰刀[#一]。便去[#二]李鬼腿上[#一]。割[#二]下兩塊肉[#一]來。把[#二]些水[#一]洗淨了。竈裏抓[#二]些炭火[#一]來。便燒。一面燒。一面喫。喫得飽了。
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とある。
七
上來紹介した幾多の例證の明示する如く、支那人が古來人肉を食用した事實に就いては、何等の疑惑を容れぬ。さて更に一歩を進めて、支那人が人肉を食用する動機をたづねると、中々複雜で一樣でない。或は人肉を食して泥棒すると容易に發覺せぬといふ迷信(唐の段成式の『酉陽雜俎』卷九、盜侠篇參看)から來るものもあれば、或は金の元帥※[#「糸+乞」、第3水準1−89−89]石烈牙忽帶の如く、一部將の妻が、その與へし猪肉を食せざるを憤り、羊肉の如く見せかけて、之に人肉を食せしめて、自己の惡戲《いたづら》氣質を滿足せしむるもあれば(金の劉祁の『歸潛志』卷六參看)、更に唐の玄宗時代の宦官の楊思※[#「瑁のつくり+力」、第3水準1−14−70]の如く、自分の殘忍性を滿足せしむる爲に、罪人の心肝を取り、手足を截り、肉を割いて之を食ふものもある(『舊唐書』卷百八十四、楊思※[#「瑁のつくり+力」、第3水準1−14−70]傳)。されど比較的普通な動機は、大約(一)飢饉の時に、人肉を食用する場合、(二)籠城して糧食盡きた時に人肉を食用する場合、(三)嗜好品として人肉を食用する場合、(四)憎惡の極、怨敵の肉を※[#「口+敢」、第3水準1−15−19]ふ場合、(五)醫療の目的で人肉を食用する場合の五種に區別することが出來る。以下一々の場合に就いて、少しく詳論して見たい。
(一)[#「(一)」は縦中横]飢饉の時人肉を食用する場合。
申す迄もなくこの場合が一番普通である。所が支那殊に北支那では、頻繁に飢饉が起る。英國の Hosie が曾て Journal of China Branch of Royal Asiatic S
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