城窟行に、
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生[#レ]兒愼莫[#レ]擧、生[#レ]女哺用[#レ]脯。君獨不[#レ]見長城下。死人骸骨相※[#「てへん+掌」、第4水準2−13−47]※[#「てへん+主」、第3水準1−84−73]。
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とあるのは、唐の杜甫の兵車行に、
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信知生[#レ]男惡。反是生[#レ]女好。生[#レ]女猶得[#レ]嫁[#二]比鄰[#一]。生[#レ]男埋沒隨[#二]百草[#一]。
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とあると同樣、男子は兵役に就かねばならぬから、出生せぬ方が、若くば成長させぬ方が望ましい。女子にはかかる苦勞がないから、男子を生むよりは、むしろ女子を生む方が、利益であると云ふ思想を、露骨に述べたものである。その兵車行に出征の士卒の一族が別を惜しむ有樣を敍して、
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耶孃妻子走相送。塵埃不[#レ]見咸陽橋。牽《ヒキ》[#レ]衣頓[#レ]足※[#「てへん+闌」、第4水準2−13−61]道哭。哭聲直上干[#二]雲霄[#一]。
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とあるが、衣を牽き袖に縋つて哭泣するなど、隨分女々しきことではない
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