又は 〔Ka^ghad〕 といふ。之は印度の Kaghaz といふ言葉と同じく、何れも支那の穀紙(Kuchih 古音 Kok−dz)を訛つたものである(31[#「31」は縦中横])。古傳説が草木を製紙の原料としたと傳へて居り、またマホメット教國へ最初輸入された紙が、穀紙を訛つた 〔Ka^ghaz〕 又は 〔Ka^ghad〕 といふ名稱で知られて居る事實を併せ考へると、當初|薩末※[#「革+建」、79−1]《サマルカンド》で支那人の捕虜によつて製造された紙は、主として樹皮を原料に用ひたであらうといふことは、殆ど疑ふ餘地がないやうに思はれる。
支那の新疆の探檢が行はれると共に、この地方から古文書が發掘された。英國の Stein 氏が天山南路で發掘した古文書は隨分あるが、その中に唐の代宗から徳宗時代にかけての古文書で、年代の明記されて居るものが都合七種ほどある。即ち代宗の大暦三年(西暦七六八)、徳宗の大暦十六年(實は建中二年、西暦七八一)、大暦十七年(實は建中三年、西暦七八二)、建中三年(西暦七八二)、建中七年(實は貞元二年、西暦七八六)、建中八年(實は貞元三年、西暦七八七)、貞元六年(西
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