の方が長い。長いけれども殆ど區別が付かぬさうです。無論蒙古人の衣服も日本と同じで右で合はすです。突厥人は左ですが、蒙古人は日本人と同じやうに右です。女の髮の形は是れはなかなか面白いです。口で言ふと却つて分らぬ。繪で描いた方が能く分りませう。嫁に行つて仕舞うて頭髮の前半分剃る。後頭の髮のみを殘す。それを結びます。さうして其處へ以て行つて大きな、今日で言ふ朝鮮人の帽子に似たやうな物を冠ります(この時畫を描く)。斯ういふ風に鉢皿などを逆樣に戴いたと同じことです。頭の上へきちんと冠るやうになつて縁は出て居ります。これを蒙古人は Bocca と申します。それは木の皮で拵へる。其上へ美しい絹を張つて居る。それから其冠り物の頂邊からかう四角な長い物がずつと出て居る。この四角な長い物の側面には穴を明けてある。此處へいろいろな飾りを置きます。鳥の羽根位です。鳥の羽根でなくても何でも宜い。或は絹の布などをやる。それから一番上へ行つては細くなりますが、孔雀の羽根を飾り付けます。冠り物は此處から此處までで高さ二尺何寸、長いのは三尺位あります。この高い冠り物には無論|纓《ひも》が付けてあつて、それを顎下でしつか
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