天狗塚
横瀬夜雨
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)下妻《しもづま》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)二三十人|石下《いしげ》村へ
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、底本のページと行数)
(例)※[#「土へん+(鹵/皿)」、鹽の俗字、192−8]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ひし/\と
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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血盟團、五・一五事件の公判の初められようとする頃、筑波天狗黨の遺族は山上に集まつて七十年祭を擧行した。警察がやかましかつたので、來會者は四十人に過ぎず、天狗塚はいくつあるだらうといふ話が出た。
當時囚へられた天狗は、例外なしに各部落の馬捨場で首を刎ねられてゐる。正五位飯田軍造、天狗軍中強豪を以て聞えた木戸の軍造も、下妻《しもづま》の町外れで死骸を張付にかけられ、馬骨とおなじ穴に埋められてゐる。
押借と放火と殺傷とで遠近を脅かしてから、尊王攘夷は名ばかりに取られ、逃ぐる者は出ても、加はる者
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