《みち》もないし、またあり得ないことを忘れてはならぬ。吾々のスローガンはこうでなければならぬ。即ち、ブルジョアジーを打倒[#「打倒」に白丸傍点]し、収奪[#「収奪」に白丸傍点]し、武装解除するために、プロレタリアを武装[#「武装」に白丸傍点]させること。プロレタリアートは、たゞブルジョアジーを武装[#「武装」に白丸傍点]解除した後にのみ、その世界史的見地に叛くことなく、あらゆる武器を塵芥《じんかい》の山に投げ棄てることが出来る。そしてプロレタリアートは、また疑いもなく、このことを成遂《なしと》げるであろう。」と。
新しく入営する青年たちのなかには、こういうことがよく分かっている人々もあるだろう。だが、自分が国家のために入営するのだと思っている者も、少くはないだろう。又徴兵に取られて馬鹿らしいが、仕様がない位いにしか思っていない人々もあるだろう。
自分たちが、誰れのために使われているか? そして、その中へ這入って何をしなければならないか? それを知っている青年達は中隊の班内で寝台を並べてねる同年兵たちに、そのことを噛みくだいて分るように語らねばならぬ、武器の使用方法を習って、その武器
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