は二三丁さきの村にまで溢れて行って、人々の耳を打った。……
 それから一週間ほど、それ等の汚れた豚は昼夜わめきつづけていたが、ついに、一ツ一ツばた/\斃れだした。
 野に放たれ騒いだ豚は、今、柵の中でおとなしく餌を食っている。
 主謀者がその後どうなったか?
 いや、彼等は、役人に反抗したが、結局、どうにもせられなかった。
 彼等は、やったゞけ、やり得だったのである。
[#地から1字上げ](大正十五年十月)



底本:「筑摩現代文学大系 38 小林多喜二 黒島伝治 徳永直集」筑摩書房
   1978(昭和53)年12月20日初版第1刷発行
入力:大野裕
校正:はやしだかずこ
2000年7月3日公開
2006年3月21日修正
青空文庫作成ファイル:
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