のとは反対の北側へ集った。そして、家のようなうず高い薪の堆積にぐいと力を入れた。薪は、なだれのように、居眠りをしている×××の頭上を××××、××した。ぐしゃッと人間の肉体が××××音が薪の崩れ落ちる音にまじった。
「あ、あぶない、あぶない。薪がひとりでに崩れちゃったよ」
三人は、大声をあげて人に聞えるように叫んだ。
それが、メーデーに於ける彼等の、せめてもの心慰めだった。
[#地から1字上げ](一九三〇年四月)
底本:「黒島傳治全集 第三巻」筑摩書房
1970(昭和45)年8月30日第1刷発行
入力:Nana ohbe
校正:林 幸雄
2009年6月11日作成
青空文庫作成ファイル:
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