閧セよ、本当に! 一日や二日どうだというんだい? いったいおまえは今どこへ行こうってんだ、ヴェニスへでも行くのかい? なあに、おまえのヴェニスは二日のあいだになくなりゃあせんよ。アリョーシャをやってもいいのだが、こんなことにかけては、アリョーシャじゃしようがないて、おまえだけだよ、賢い人間は、それがわしにわからんと思うのかい? 森の売り買いこそしまいが、眼力をそなえておるからなあ、ただあの男が本当のことを言っとるかどうかさえ、見抜きゃいいんだ。今も言ったように髯をみるんだ。髯が震えてたら本当なんだから」
「お父さんは自分からあのいまいましいチェルマーシニャへ、僕を追い立てるんですね? え?」と、イワン・フョードロヴィッチは無気味な薄笑いを浮かべながらどなった。
フョードル・パーヴロヴィッチはその無気味なものだけには気づかないで、あるいは気づくことを欲しないで、ただ薄笑いのほうだけを取りあげたのである。
「じゃあ、行ってくれるんだな、行ってくれるんだな! すぐに今一筆書いてやるからな」
「わかりませんよ、行くかどうか、まあ途中で決めましょうよ」
「途中でとはなんだ、今決めるがいい、な、
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