uチェルマーシニャだったら呼んでくれないのかい……その、何か事件のあった場合にさ?」なんのためともわからず、急に声を張り上げて、イワン・フョードロヴィッチがとっさにどなった。
「チェルマーシニャへおいでになっても……やっぱりお知らせしますよ……」と、スメルジャコフはあわてたように、ほとんどささやくような声でつぶやいたが、しかし依然として、じっとイワン・フョードロヴィッチの顔をまともに見つめていた。
「だがおまえがチェルマーシニャ行きをすすめるところをみると、モスクワは遠くてチェルマーシニャは近いから旅費が惜しいとでも言うのか、それとも僕がむだな大回りをするのが気の毒だとでも言うのかい?」
「全くおっしゃるとおりでございます……」と、またしても忌まわしくにたにた笑いながら、ひきちぎれたような声でスメルジャコフがつぶやいた。そして痙攣するような身ぶりで、すばやく後ろへ飛びのく身構えをするのであった。しかし、イワン・フョードロヴィッチはスメルジャコフがびっくりしたくらいだしぬけにがらがらと笑いだした。そしてなおも笑い続けながら、足早に耳門《くぐり》をくぐってしまった。このとき誰か彼の顔を一目
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