サのついでに親爺を殺すなんてはずはない、昨日のような場合には、癇癪《かんしゃく》もちのばかが夢中になったことだから、グルーシェンカのために親爺を殺すようなことがあるが、強盗なんぞに出かけてたまるものか!」
「でも、あのかたは今、非常にお金の入用に迫られていらっしゃいますよ、イワン・フョードロヴィッチ、どんなにお困りになっているか、あなたは御存じないのでございましょう」スメルジャコフはどこまでも落ち着き払って、いちじるしくはっきりした調子でこう説明した。「そのうえ、お兄さんはその三千ルーブルの金を、まるで自分のものかなんぞのように思っていらっしゃいます、『親爺はまだちょうど三千ルーブルだけおれに支払う義務があるのだ』と御自分の口からわたくしにおっしゃいました、それにイワン・フョードロヴィッチ、もう一つ確かな真理があるのですよ、ようく御自分で判断して御覧なさいまし、これはほとんど間違いのない話ですが、アグラフェーナ・アレクサンドロヴナは、自分でその気にさえなられるなら、わけなくあのかたを――つまりフョードル・パーヴロヴィッチをまるめこんで結婚してしまいますよ、それに旦那のほうだって案外その
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