s意に彼はこう口をすべらして、険しく眉《まゆ》をひそめた。
「どうしてわたくしが、そんな段取りなんかしくみましょう……それに、何もかもドミトリイ・フョードロヴィッチのお考え一つで、どうともなるというやさきに、なんのためにそんなことをいたしましょう……あの人が何かしでかそうとお思いになれば、何もかもそのとおりにしでかしなさるのでございますよ、本当にめっそうもない、わたくしがあの人の手引きをして、旦那の所へ踏みこませるなんて、そんなことがあってよいものですか」
「じゃ、なんのために兄貴が親爺《おやじ》の所へやって来るんだ、それもこっそりやって来るなんて? アグラフェーナ・アレクサンドロヴナはけっしてここへやって来やしないと、貴様自身言ってるじゃないか」と、イワン・フョードロヴィッチは憤りのために顔色を変えて語をついだ、「貴様の口からもそれを聞くし、僕もここに滞在しているあいだにちゃんと見抜いてしまったんだが、親爺はただ夢を見ているだけで、あの淫売女《じごく》はけっしてやって来やしないんだ、あの女が来もしないのに、なんのために兄貴が親爺の所へあばれこむんだ、さあ言ってみろ! 僕は貴様の肚《は
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