フだ! さて、舞台は十六世紀に起こったことになっているんだが。それはちょうどあの、――もっともこんなことはおまえも学校で習って、ちゃんと知ってる話だが、――詩の中で、天上界の力を地上に引きおろすことが流行した時代なんだ。ダンテのことは言わずもがな。フランスでは裁判所の書記や修院の坊さんが、マドンナや、聖徒や、キリストや、神様御自身までも舞台へ引っぱり出して、いろんな芝居をやらせたものだ。当時はそれがすべて至極単純に取り扱われていたものだ。ユゴオの |Nortre−Dame《ノートル・ダム》 de《ド》 Paris《パリ》 のなかには、ルイ十一世の時代に王子誕生祝賀のため、パリの市会議事堂で 〔Le bon jugement de la tre`s sainte et gracieuse Vierge Marie〕(いとも神聖にして優しき、処女マリアのねんごろなる裁判)という外題《げだい》の教化的な演劇が、人民のために無料で公開されたことが書いてある。この劇では、聖母がみずから舞台に現われて、そのいわゆる bon jugement を宣告することになっているのだ。ロシアでもピョートル大帝
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