ネ前の昔には主として旧約聖書から題材を取った同じような劇が、やはりときどき演ぜられていたんだが、こうした演劇のほかにも、作中に聖徒や、天使や、あらゆる天国の力を必要に応じて活躍させた、いろんな小説や『詩』が世上に現われたものだよ。ロシアの修院でもやはりそうした物語の翻訳をやったり、写本をとったり、中には創作にまで手を出す者があったけれど、しかも、それがダッタン侵入時代のことなんだからな、その一例として、ある修院でできた(と言っても、むろん、ギリシア語からの翻訳だが、)小劇詩に、『聖母の苦難の道』というのがあるが、それはダンテにも劣らぬ大胆な場面の描写に満ちている。聖母が大天使ミハイルに導かれて、地獄の中の苦難の中を遍歴する。そして聖母が罪人やその苦難を目撃するのだ。その中に、火の湖に落とされている、実にすさまじい罪人の一群れがある。その連中のなかには、火の湖の底深く沈んで、もはや浮かび上がることができず、ついに『神様にも忘れられる』罪人もあるのだ、――実に深刻な力強い表現じゃないかよ。そこで聖母はそれを見て驚き悲しみながら、神の御座の前に身を伏せて、地獄に落ちたすべての人――彼女の目撃
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