フ話から手当たり次第に、そういう種類の逸話をノートに取って集めているんだ。もうだいぶ立派な収集ができたよ。例のトルコ人ももちろんその収集の中へはいってるんだが、こんなのはみんな外国種だからな。ところが、僕はロシア種もだいぶ集めた。その中には、あのトルコ人よりも一段すぐれたやつさえあるんだ。おまえも知ってるとおり、ロシアではずいぶんよくなぐる。それも多く笞《むち》や棒でなぐる、しかもそこが国民的なんだよ。わが国では耳を釘づけにするなんてことは夢にも考えない。われわれはこれでもヨーロッパ人だけれど、しかし笞とか棒とかいうやつは妙にロシア的なものになってしまって、われわれから奪い去ることができなさそうだ。外国では今はあんまりなぐったりなんかしないようだ。人情が美しくなったのか、それとも人間をなぐってはならぬという法律でもできたのか、その辺はよく知らないけれどね。その代わり外国の連中は別なもので、ロシア人と同様、国粋的なもので埋め合わせをしているよ。それはロシアではとても不可能なほど、国民的なものなんだ。もっともロシアでも――ことに上流社会で宗教運動が始まったころからは、そろそろ移植されかけた
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