ト愛するというわけにはいかないもんだ。いや、こんなことはもうたくさんだ。ただ僕はおまえを僕の見地へ立たして見さえすればよかったんだ。僕は一般人類の苦悩について話したかったのだが、今はむしろ子供の苦悩だけにとどめておこう。これは僕の論拠を十分の一くらいに弱めてしまうけれど、しかしまあ、子供のことだけにしよう。これはもちろん、僕にとって不利益なんだけれどね。第一、子供はそばへ寄っても愛することができる。きたないやつでも器量のよくないやつでも愛することができる。(もっとも僕には器量のよくない子供というものはけっしていないように思われるんだがね)第二に、僕が大人のことを話したくない理由は、彼らが醜悪で愛に相当しないばかりでなく、彼らに対しては天罰というものがあるからだ。大人は知恵の実を食べて、善悪を知り、『神のごとく』なってしまった。そして今でも引き続きやはりその果実《このみ》を食べている。ところが子供はまだ何も食べないから、今のところまだ全く無垢《むく》なのだ。おまえは子供が好きかえ、アリョーシャ? わかってるよ、好きなのさ。だからいま僕がどういうわけで子供のことばかり話そうとするか、おまえ
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