いか?」とイワンは笑いだした、「だって、なんといったって、自分のことは大丈夫話し合う暇があるからなあ、自分のことは……いったい僕たちはなんのためにわざわざここへやって来たんだろう? なんだっておまえはそんなにびっくりしたような眼つきをするんだい? さあ、言って御覧、僕たちはなんのためにここへやって来たんだ? カテリーナ・イワーノヴナに対する恋や、親父のことや、ドミトリイのことを話しに来たというのかえ? 外国の話かえ? ロシアの因果な国情の話ででもあるのかえ? ナポレオン皇帝のことでも話しに来たというのかえ? そうなのかえ? そんなことのためなのかえ?」
「いいえ、そんなことのためじゃありません」
「そんなら、自分でも何のためかわかってるだろう。ほかの人たちにはあることが必要だろうが、われわれ嘴《くちばし》の黄色い連中にはまた別のものが必要なんだ。われわれはまず最初に永遠の問題を解決しなければならない。これがいちばんわれわれの気にかかるところなんだ。いま若きロシアはただ永遠の問題ばかり取りあげている。しかもそれが、ちょうど老人たちがみな急に実際問題について騒ぎだした現在なんだからな。おま
前へ 次へ
全844ページ中690ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ドストエフスキー フィヨードル・ミハイロヴィチ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング